YAMATO criticism

宇宙戦艦ヤマトについて、または宇宙戦艦ヤマトを通して考える。

古代進萌え語り

ヤマトマガジンvol.3表紙

ヤマトマガジンvol.3

 ヤマトマガジン最新号きました。

 いやー。『ヤマト王子』うん。コレは確かに王子様ですな。   

 2199以降のリメイク版古代くんは、文字通り王子様だと思います。

キレイだし品があるし、繊細で、少し天然(笑)。何よりも、まっすぐに人を信じられる純粋さ。

 その心がガミラスやガトランティス、そして地球の人々の心をも動かしていくわけで、2199-2202の物語には、そんな古代進が必要だったと思います。

 

 そんな古代を私は決して嫌いじゃないし、全力で応援もするのですが、その一方で私が40年前から追いかけてきた古代とは違うとも感じています。

 それは悪いことじゃない。 違っていていいのだと思います。同じでは、リメイクする意味がありません。

 リメイクされたからといって、オリジナルが消滅するわけでもありません。

 

 では私が追いかけてきた古代進ってどんな男か。どんな存在なのか。もう本当に妄想垂れ流しです。先に謝りますすみません…。

 私の中の古代進って、とてもじゃないが”王子様”なんて呼べるシロモノじゃありません。

 カッコいいヒーローとか憧れの存在とか、そんなでもありません。

 品もないなあ。メシ食うのも早食いでろくに噛まないわ(一人で生きてきた期間が長くて)好きなものしか食わないわで生活班長の悩みのタネだろうし。

 あまりにも近すぎて、”古代くん”と呼ぶことすら照れくさくこっ恥ずかしい。こでぇって言うのがなんか落ち着く。

 

 で、この男の最大の弱点にして最高の生き甲斐でもある森雪という女性については、私自身ももう崇め奉るしかないというか、自分も惚れちゃってるのかも知れません。ユキ様とお呼びするしかない。

 なんで古代が彼女を愛してるのか、とか。彼女なしでは生きられないくせに素直に思いのままに彼女を抱けないためらいも、その割に甘えっぱなしで放ったらかして好き勝手やってるバカさ加減も、でもその裏にある地球や他の星の生命に対する情や死んでいったものたちや敵に対してさえも割り切れない思いも、なんか解ってしまうような気がするんです。

 まあ、本人は「お前なんかに何が分かる」って口とんがらかしてスネるでしょうが。(ここで澪ちゃんなら「いいえ」と花のように笑うところですが、私なら「アンタは単細胞で分かりやすすぎんだよ心配なんだよちったあ自覚しやがれ」って言い返す。)

 

 自分の中で、どうして古代進がそんなに近しい存在になったのか。

 実は子どもの頃から、今で言うイケメンが苦手でした。

 自分がブサイクであることを自覚していた(兄から「お前はブサイクだから、一人で生きていけるようとにかく勉強して金を稼げ」と言われて本気でそう思っていた)ので、美しくカッコいい方々には嫌われるという恐怖感を常に抱いていました。

 だからアイドルや芸能人のファンなんてとても無理。

 今でも正直アベルト閣下とかクラウス君は少し怖いです。伊東さんや真田さんも近寄りがたい。

 

 ところが古代は違いました。

 いや彼も、主役でカッコいいイケメンの部類に属するはず(ヲイ)なんです。それでも彼を怖いとは思わなかった。やや乱暴(イスカンダル編限定ですが)だけどその底にある人の良さ、人情みたいなものを感じて、どこか安心できた。

 それは多分、彼を演じた富山敬さんの演技も大きかったのだと思います。

 その全てを把握しているわけではなく、私の知っている範囲での印象に過ぎないのですが、富山さんの声には何を演じても泥臭い人情味、駄々っ子・ヤンチャ小僧が甘えているような人懐こさ温かさが感じられます。

 

 それから絵柄。

 

 私の古代は芦田豊雄さんの古代です。

 ヤマト3での芦田さんの絵は、体全体になるとデフォルメされ過ぎて見るのが辛いのですが、表情は好きでした。

 Part1の古代がそのまま年齢を重ねた感がありました。

 

 「銀河英雄伝説 Die Neue These」のように、最近の作品の男性はどちらかというと中性的な傾向があるように思います。

 それはそれでカッコよく美しいのですが、古代に関しては繊細かつヤンチャな"少年"と精悍で武骨で破滅的でどこか哀しい"男"とがアンバランスに混在するところがあってーユキ様はそんな彼を包み込むように愛してるんじゃないかと思っていたりします。

 

 余談ですが戦う男の精悍さ、という点ではPlayStation版の古代が一番ではないかと思っています。

 

 増永計介さんの絵は松本零士先生の絵を基にしているだけに、松本の漢の美学というか非情であらねばならない戦場に立つ男の厳しさを体現しているように感じます。

 発売当時、演じた山寺宏一さんのカッコいい声に違和感を感じたりしましたが、この増永さんの古代にはその声だったのかなあと。

 多分私の中の古代は、同じく山寺さん演じる『昭和元禄落語心中』の有楽亭助六に近いんだと思います。それにしても人情味あふれる助六と、非情なアベルト・デスラーを演じ分ける山寺さんはすごい、すごすぎる…。